一言で言うと「あー面白かった!!!」
なんだかとても色々なものが駆け巡っていったような
でも頭が真っ白だったような
それでいて感覚だけはとても鮮明で、今でもまだ思い出せる
そして凄く気持ちよかった
それは言い表せないからだの感覚と
「自分は、やりきった!」という誇らしさ
予定日の5日前、おしるしから10分間隔の陣痛が強かったり弱かったりで半日続いた。
その日の検診で「まだ先だね〜」と言われ、まだかあ…と凄くがっかりして家に帰る。
仕方ない、まだしばらく耐えようと決めたその日の深夜、5分からすぐ3分になり、さすがにもう行ってもいいかなぁと痛みをこらえつつ向かうと、
「よくがんばったねぇ!子宮口もう6cm開いてるよ。一番辛い時期をよく一人で乗り切ったね!」
と言われた。今まで不安だらけでナーバスになっていたので凄く安心。よし頑張るぞ!
そして二階の和室へ移動。そこで10cmまで耐えるのだ。
陣痛に耐えている間は、横川さんがずっと腰をさすってくれる。
円を描くように強めにさすられるのがとても気持ちよく、痛みが和らいだ。
凄くありがたかった。
旦那や母にもさすってもらったが、何か違う〜やっぱり横川さんでないとだめだぁ。
そしてお産の進みを促すために、足浴をしたり、お灸をしたり。
病院だと点滴やなんやら医療行為をするようだが、やはりまんまるさんはお産の最中でも、自分の中の力を引き出す方向のことをしてくれたので、また安心。
初めてのことでも、どこか「日常」とつながっている気がして、とてもホッとした。
それからも沢山励ましてもらった。
なにせ人生で初めてのこと。ぶっつけ本番、練習もなにも無しの行為。
産むしかない、とにかく出すんだ!と知識としては分かっていても、実際自分はこの先どうしたらいいんだろうという不安もあり。
そうやって私が頭ぐるぐるして陣痛に耐えている間も、「そう上手上手〜凄く上手だよ〜」とずっと励ましてくれていた横川さん。
いっぱいいっぱいで不安な中、ああしろこうしろと指示されるよりずっと心がほぐれ、そうかそうかこれでいいのか!と、とにかく凄く自信がつき、自分の中の「野生」の力に集中することができた。
そして一度仰向けでいきんでみることに。
私が助産院を希望した理由の一つに、「病院では仰向けで産みにくそう」というのがあり、やはり予想どおり(その思い込みの強さもあると思うが)仰向けでは全然力が入らない!
いきむ感覚が良く分からない。
すると横川さん「トイレに行きましょう!」
妊婦クラスなどで「トイレに座るといきむ感覚が解る」と教わっていたため、おお、なるほどと思いつつトイレへ。
そうしていきんでみると、なんとも自然にぐぐっと下に下りてくる感覚が!
これか!この力の入れ具合か!分かった分かった!
感激し、面白くなってもっといきみたかったが、「部屋に戻りましょう☆」「ええ〜このまま産みたいです〜」とかわがままを言いつつよろよろと部屋へ。
部屋に戻り、でもトイレと同じような体制で産みたいと言うと、あぐらをかいた旦那に正面からしがみついて、立てひざで産むことをアドバイスされた。
これも凄く力が入れやすい。
無機的なものにしがみつくより、いつもの旦那の大きな体やぬくもりで落ち着くことができた。
もうこのあたりになると痛いとかは余り感じず、《出す》仕事に夢中になってくる。
力を入れると少しずつ降りていく感覚が面白くて仕方が無い!
しかしそれと共にギギギギと広がっていく会陰。
出したい、けど会陰がそろそろ限界なのか、かなり痛い。
これ以上いきんだら絶対切れる。どうしよう…
しかし横川さんのいきみ逃しのリードの上手いこと上手いこと!
本当に少しずつ少しずつ力を入れて、ふーふーと息を吐きながら止めて…
もうちょっと?あとちょっと?まだかなまだかな?と思っていたらつるっと頭が出た感覚。
それと共に聞こえた「あー」という小さな声
え、これ、今出た頭から出た声?
まだ体出てないのに、と可笑しくなってしまった。
よしじゃあ、あとは体を出すだけ、とちょっといきんだらつるっと出てきて、即、まりこ先生に「受け取ってー」と言われた。
急いで手を下に伸ばして息子を抱える。
息子を受け取った最初の発言は「ええ〜〜〜?」
頭がすごくでかく感じて「本当にコレ、私が出したの?」
信じられなかった。
でもそれと同時に「あぁーやった…できた、やりきった!」という表現しにくいような充実感でいっぱい。
2010年9月9日 午前6時42分 2950g 男児 出産
母に聞いたら、午前と午後は違っても、私も6時42分生まれだったそうだ。不思議なつながり。
素晴らしいリードのおかげで会陰も切れず(これが自分的にもだいぶ誇れるポイント)、産後は母子共に超がつくほど元気で、すぐに起き上がってびっくりされた。
そして入院中の体にやさしい美味しいご飯。
「体に良い」と「美味しい」は共存しないものだと思っていた私には、これも衝撃。
出てくるものが全部美味しい!好き嫌いの激しい私がほぼ毎回完食。素晴らしい。
入院中もかわるがわる助産師さんたちが部屋に来て、お世話をしてくれるついでに色々お話をしてくれたりして
とにかく毎日楽しかった。
しんどい痛みも、もちろんあった。
でもそれが全部ひっくり返るくらいの素敵な体験だった。
産んだのは私。でも一人では絶対出来なかった。
「産む」という行為を楽しくするのか、辛くするのか、選択するのは自分自身。
まんまる助産院を選んで、良かった!
助産師さんたち、そしてここに集うママ達に出会えて、本当に良かった!
感謝と感激でいっぱいです。
ありがとうございました!